28歳独身男、凡リーマンのリアルな生活

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【ゴーンショックで再燃】自動車業界の悪しき習慣

 

突然ですが、自動車業界の原価低減って言葉知っていますか?

今回は自動車業界の悪しき習慣だと言われている「原価低減」について紹介します。

この「原価低減」ですが、巷では自動車メーカーが「利益率が上がりました!」「要因は原価低減によるものです!」などと意気揚々に言っておりますが、実際には下請けからの搾取によるところが大きいです。

自動車産業は日本を代表する産業なので、世間ではあまり自動車メーカーが叩かれることは少ないのが現状です。インターネットで調べてもこの「原価低減」は自動車メーカーが褒められているようにしか書かれていません。今回のゴーンショック事件を機にこの悪しき習慣を見直すのはいかがでしょうか?

 

 

自動車1台を作るまでには、数百社、数千社が絡んでいると言われています。

トヨタや日産などの自動車メーカーは部品を1次サプライヤーから購入し、それらを組み立てて自動車を製造して販売しています。当然1次サプライヤーの下にも2次、3次、4次サプライヤーと下請け企業が多くあります。

 

私も自動車部品を扱っている会社(2次サプライヤー)で仕事をしているのですが、自動車業界では部品販売に原価低減が常につきまとうことを日々実感しています。

 

この原価低減ですが、前々から自動車サプライヤー業界ではうんざりされている習慣なのですが、今回のゴーンショック事件で「せっかく労力を費やして原価低減をしたのに、何十億もの金がある1人の懐に入っているのはありえない!!」とどの会社も怒りを募らせているのです。

 

 

原価低減活動とは?

様々な視点、手法により原価を低減させるための総合的な活動のこと。低減対象となる原価の構成要素は、原材料費、労務費、設備の減価償却費、開発費用の配賦費、流通費など多種多様である。したがって、この活動の開始にあたっては、低減目標(金額、低減率)に応じた原価要素の洗い出しや、活動体制(組織、チーム)、メンバー、期限などを明確にして計画的に推進する。また、原価低減活動を推進するためには目標原価の設定が必要となる。目標原価とは、企業の収益を維持、向上させるために、ビジネスに必要な商品の原価に与えられた目標のこと。新製品やモデルチェンジの開発開始時点で当該製品の原価目標を設定するケースがほとんどであるが、企業の収益改善のため、現行製品の目標原価を再設定する場合もある。商品の価格は顧客が決めるが、原価はその企業の開発、生産、購買の考え方などの企業体質によって決まってくる。

原価低減活動(げんかていげんかつどう)とは - コトバンク

 

簡単に言うと下請け企業は部品の販売先に対して、材料を変えたり納入ルートを変更することで、販売単価を下げる活動を「原価低減活動」と言います。

 

 

 

年度原低とは?

「年度原価低減」の略語となります。

下請け企業は年に一度、販売先に対して、販売部品の単価を無条件(材料変更などはなし)で3%下げたり、もしくは年間の売上総額の10%を値引きしたりすることを意味します。

 

下請法に該当する中小企業には上記ほどの数字は課せられていないかもしれませんが、自分の会社は下請法に引っかからないことをいいことに得意先からは厳しい要求を受けています。

 

上記の「原価低減活動」が正当に行われるのであれば(例えば最初には思いつかなかった設計を後々に思いついたから、設計図を変更するなど)、必要なことだと思いますが、最初から原価低減活動を視野に入れて無駄な活動をしているので、全く生産性を生まないダメダメな習慣だと言えます。

 

 

なぜ悪しき習慣なのか?

  1. 新車量産前から原価低減を意識した設計をしているから。
  2. 原価低減という名の搾取だから。

 

 

 

1.新車量産前から原価低減を意識した設計をしているため。

自動車の新車が量産されるまでには、5年ほどのスパンをかけていると言われています。

私の会社は2次サプライヤーにあたるため、1次サプライヤーに対して、最初から販売単価を抑えられる設定の部品を提案しておりますが、販売先である1次サプライヤーは、あえて販売単価の高いものを図面に載せようとしてくることが多々あります。

 

こちらとしては、どうせ原価低減活動を後々にしなければならないのだから、その無駄な労力を省こうと思い、あえて値段の安いものを最初から販売したい意図があるのですが、あえて原価低減をするための余力を残しているのが現状です。

(※原価低減活動にはなかなか労力がかかります。)

 

 

 

2.原価低減という名の搾取だから。

「年度原低」のところでも記載しましたが、無条件でのコストダウンを強いられることが自動車サプライヤー業界では当たり前となっております。自分の会社にも毎年春頃になると、「今年は年間の売上の〇〇%の原低をお願いします。」「今年は日産やトヨタからの要求額が高いので御社にも協力して頂かないと困ります」などと販売先から言われます。

一次サプライヤーも日産やトヨタなどの自動車メーカーから原価低減の要求があるが上に2次サプライヤーへ同じように原価低減を要求してくるのです。

つまり、全サプライヤー(下請け企業)が労力を費やして行った原価低減の恩恵は自動車メーカーにしか行きません。

原価低減を行ったことで、自動車が安くなりエンドユーザーに恩恵がもたらされるのであれば社会の役に立つので良いのですが、決してそんなことはないかと思います。

「原価低減のおかげで過去最高の利益を生み出しました」と自動車メーカーが言っているくらいなので自動車メーカーにしか恩恵はないのです。

 

今回の事件で、ある1人の人物の懐に数十億円の大金が入っていると分かり、上記の恩恵はこの1人にしかいっていないのでは?とも思われても仕方ない状況かと思います。

 

 

 

自分が自動車産業に従事していることもあり、ブログを書いていて少々熱くなりかけました。笑

今回のゴーンショック事件は日産自動車だけの問題だけでなく、全サプライヤーに対しても謝罪すべき内容かと思っています。

これを機に「原価低減活動」がより正当なものになることを願っています。

 

 

by pelebong